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第6回世界合唱シンポジウム

アメリカの中北部、五大湖の西側に位置するミネソタ州。
隣接するSt..Paul市とともにツインシティと呼ばれているミネアポリスにおいて第6回世界合唱シンポジウムが8月3日から10日まで開催された。

会場はミネアポリス・コンベンションセンターを中心に、コンサートが開かれたオーケストラホール、オープンシンギングのウェストミンスター教会など、それぞれ徒歩5分以内の会場で行われた。1週間の会期中、約80のレクチャー、一日2回のコンサート(他コンサートは近郊の教会でも行われた)など、合唱漬けの毎日を参加者は送ったようだ。

参加者は一部の日程の参加者も含め約1700人。そのうち約1100人がアメリカからの参加(そのうちほとんどが合唱指揮者だそうだ)であり、カナダ、シンガポール
(昨年のアジア太平洋合唱シンポジウムの影響だろう)、韓国、スウェーデンなどの参加者が多かった。日本からは2005年の京都大会のPRのため全日本合唱連盟の幹部の皆さん、京都の連盟関係の皆さんが多くがいらしていたほか、岸信介先生をはじめとする合唱指揮者の方々や作曲家の松下耕先生も参加されていた。
合唱団としては東京の大久保混声合唱団と岐阜高校合唱部が参加していた。

 コンベンションセンターの展示ホールには約80社(ほとんどはアメリカのディストリビューターと出版社、CDショップであり、ヨーロッパからの出展はわずか数えるほどである)のブースが軒を並べていた。アメリカの合唱楽譜のほとんどがピースの楽譜である。
そして価格は1ドルから2ドル程度。パレストリーナのモテットも現代アメリカミュージカルのアレンジものも同じ装丁で売られている。日本との楽譜事情の違いを垣間見たようだ。
CDはここでも人気で多くの人が買い求めていた。その中に三善晃作品集があったのにはびっくり。

 レクチャーはすべて英語で行われた。日本でもお馴染みのジョン・ラターのイギリス合唱事情に関するレクチャー、ヘルムート・リリンクによるバッハの音楽に関するレクチャー、ロバート・レビンによるモーツアルトのレクイエムに関するレクチャー、シャンティクリアがモデル合唱団として登場したレクチャー、ボビー・マクフェーリンによる即興演奏に関するレクチャーなど興味深いものが多かった。また、それぞれの国(地域)の合唱曲の紹介など、日本に居ては経験の出来ない音楽経験をすることが出来た。その他、ゴスペルのレクチャーやボディパーカッションのレクチャーは受講生も一体になって盛り上がってた。

 日本からは松原千振氏が講師として招かれ、柴田南雄、間宮芳生、三善晃、湯浅譲二、池辺晋一郎各氏の作品を紹介。会場にいた松下耕氏が飛び入りで自作を紹介するというハプニング?もあった。

 コンサートは毎晩オーケストラホールを中心に開催され、世界各地から集まった合唱団による演奏が繰りひろげられた。それぞれが自国の作品を採り上げたほか、今回のシンポジウムで委嘱された作品の初演が歌われたコンサートもあった。また、トヌ・カリユステが指揮をするワールドユースクワイヤーのコンサートも開催された。

 ウエストミンスター教会でのレパートリー紹介では、参加者に楽譜が(無料で!)配られ、その場でみんなで歌っていくという時間もあり、数多くの楽譜を入手した参加者も多かったようだ。

 今回は受講者のほとんどが合唱指導者であったという点が特徴的であり、次回の京都大会とは大きく違うところだろう。おそらく、京都大会に参加する日本の方は多くが合唱団の団員と教育現場の先生ではないかと予想される。自ずから受講者層が変わればレクチャーの方向性も変わってくるのは避けられない。今回よりも受講生を歌わせる(参加させる)講座を増やしていかないとならないだろう。

 そして大きな問題は言葉の壁。京都大会に関わるすべての人の問題である。IFCMの公用語が英語であるので、当然英語中心ですべてが行われる。ボランティアの人も含めて言葉の問題をクリアしなくてはならないだろう。

 そして、多くの合唱を愛する人たちの有形無形のサポートによって、2005年は世界各地からいらっしゃる世界の合唱愛好者が気持ちよく1週間合唱三昧の生活を送れるようにしたいものである。

展示ホール入口

展示ホール風景

パナムジカ展示ブース1.2

Hinshaw Musicのブース

オーケストラ・ホール

レクチャー風景

ボビー・マクフェーリンのレクチャー

作曲家モチュニック氏